肩の構造と働き、痛みの原因
● 肩はどんな働きをしているの? |
肩関節は人体の多くの関節の中でも実にユニークな存在です。ヒトは2本足の動物に進化する際に“手”という、いかなる精密機械もかなわないような自在な働きをする器官を発達させてきました。その“手”を最大限に有効に活用するため、肩の関節はヒトの持つ関節の中で一番自由度のある関節として変化してきたのです。この関節のおかげで肩につながる腕は、上げ下げはもとより前後左右360度に回転するなど運動範囲も運動量も多大になりました。地球の重力や頭部からの重みを受けつつ、腕の重量を支え、常に腕の動きをコントロールしている肩関節は、とても働き者の関節といえます。
● 肩の構造はどうなっているの? |
肩の骨はおもに鎖骨と肩甲骨と上腕骨で構成されており、肩甲骨のくぼみ(肩甲骨関節窩)に上腕の骨頭が組み込まれています。肩関節は狭い意味では肩甲骨関節窩と上腕骨頭との間の肩甲上腕関節を指しますが、広い意味では「肩甲上腕関節」、「胸鎖関節」、「肩鎖関節」の3つの解剖学的関節と、「肩甲胸郭機構」、「烏口鎖骨機構」、「肩峰下滑動機構」の3つの機能的関節から構成される複合関節ととらえます。
これらの6つの構造のすべてが調和のとれた連動をすることによって、腕のさまざまな動きが可能となり、さらに肩関節の周囲は僧帽筋、三角筋などの筋肉が取り巻いて、関節の動きを支える役目を果たしています。また、肩には広範囲な動きを円滑に行うための潤滑装置として、人体最大の滑液包が存在します。滑液包の内壁は滑膜でおおわれ、滑液、リンパ液で満たされています。
● 肩が痛む原因は? |
私たちがいろいろな動作や仕事をするときには、肩の関節の可動域が広いだけでなく安定性も要求されます。この相反する働きのバランスが壊れると障害が発生します。
肩関節周囲炎の中には
などがあります。
どんな人が五十肩(凍結肩)になりやすいの?
このような人・タイプに多く発症しています。
年齢:50~65歳
性別:女性より男性
職業:事務職、特に管理職
疾病:頸椎疾患、肺疾患、糖尿病との合併が多い (m3.comより)
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