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何ごとも機、熟さなければ 香山リカのココロの万華鏡

2009年9月29日   提供:毎日新聞社

香山リカのココロの万華鏡:何ごとも機、熟さなければ /東京

 診察室できかれても答えにくい質問の代表が、「あとどれくらいで治りますか?」「復職までのメドはどれくらいですかね? 上司にぜひきいてくるように、言われました」。

 もちろん、「これまでの経験では平均これくらいで回復」といった程度の話はできるが、うつ病などのメンタル系の病気の場合、とにかく個人差が大きいので平均値を話してもあまり意味がない。

 とくに当初の予想より長引いている人に、「先生、秋までにはかなり元気になるはずと言ってたのに……私、あと何カ月で会社に戻れるんですか?」などと言われると、答えに窮してしまう。

 回復までの時間を問う質問に、しどろもどろになって「まあ、半年を超えることはないと思いますが、場合によっては1年、でもうまくいけば2カ月で」などと意味のない答えを返しながら、いつも「ここはきちんと“わかりません”と答えるべきでは」と考える。「回復のスピードはそれぞれでまったく違うのです。また、症状が軽くなったり、また揺り戻しが来たり、回復のプロセスも千差万別です。どういう道のりであってもちゃんとよくなりますが、期間については今は何とも言えません」。しっかりこう伝えられたら、どんなによいだろう。

 そして、なぜそうはっきり言えないのか、と自分に問いかける。おそらく、医者たるもの「わかりません」「何とも言えません」などとあいまいなことを言っては、患者さんに不安を与えると同時に、自分のプライドも傷つくのでは、という恐れが私の中にあるのではないか。

 「えー、医者が“わかりません”だなんて、それでも医学?」と言われたときに何と答えればいいのか、などと先回りして考えて結局、「まあ、半年くらいで」などと場当たり的な答えを口走ってしまうのだ。

 回復までの時間がはっきりしないと、仕事や家庭などの予定を立てにくい。これは当然だ。とはいえ、「あと何カ月、何日」とあせることがかえって回復を長引かせたりもする。「よし、時間はあまり気にしないでじっくり治そう」という気がまえになってもらうところから、メンタル系の病の治療は始めなくてはいけないはずだ。

 私も自分の迷いやおかしなプライドに左右されず、これからは「回復までの期間? それはわかりません。必ずよくなりますから、あせらずやりましょう」と笑顔で伝えよう。25年近くこの仕事をやってきて、最近ようやくそんな心境になりつつある。やはり何ごとも機が熟さなければ先に進めないのだ。(m3.comより)

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