骨盤臓器脱 骨盤底筋が弱まり、膀胱などが膣から体外へ
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医療ナビ:骨盤臓器脱 骨盤底筋が弱まり、膀胱などが膣から体外へ。
◆骨盤臓器脱 骨盤底筋が弱まり、膀胱などが膣から体外へ。
◇臓器持ち上げ網で補強 新手術法、負担少なく 実施病院も増加
約2年前、千葉県に住む女性(69)は下腹部に違和感を覚えるようになった。痛みはなかったが、やがて尿が思うように出なくなった。陰部に圧迫感があり、尿が脇へ流れ出ることも。夜、3-4回トイレに通っても残尿感がとれない。とうとう膣(ちつ)から何かが出てきた。丸いボールのような「それ」は、鏡の前で裸になると見えるほどになった。「これは普通じゃない」。別の病気で通っていた病院でパンフレットを探し、「骨盤臓器脱」という病名を見つけた。症状がぴったり合っていた。
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骨盤臓器脱とは、膀胱(ぼうこう)、子宮、直腸などの骨盤内にある臓器が、通常の位置よりも下がり、膣から体外に出てくる病気のこと。骨盤の底でハンモックのように骨盤内の臓器を支える「骨盤底筋群」が、出産などによって引き伸ばされ、閉経に伴って女性ホルモンが減ることによって、さらに支える力が弱くなると発症すると推測される。
スウェーデンの調査では、20-59歳の女性の31%、出産経験者の44%が、無症状や軽度のものも含めた骨盤臓器脱と報告された。国内の調査はないが、陰部の症状のため相談できない女性が多いとみられる。
千葉県の女性も2人の子どもの出産経験があった。病院を受診すると、膀胱と子宮の一部が体外に出ていると診断された。今年7月、下がった臓器を持ち上げ、膣の壁と臓器の間に、人工素材で編んだ網(メッシュ)を入れて補強する手術を受けると、さまざまな症状が消えた。メッシュを使う手術法は、00年にフランスで開発された。従来の子宮を摘出して膣の粘膜を縫い縮める手術より、患者の負担が軽く、再発の恐れも少ないという。「こんなに楽になるなら、もっと早く受診しておけばよかった。手術時間も短く、楽だった」と、女性は声を弾ませた。
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だが、その相談先が問題だ。病院では、産婦人科と泌尿器科の境界領域の症状。また、医療関係者の認知度も低く、命にかかわる病気ではないため、対応が遅れがちという。骨盤臓器脱や尿漏れを克服した患者の会「ひまわり会」(事務局・大阪市)が、今年5-6月に骨盤臓器脱に関する電話相談を実施したところ、1000件以上の相談が殺到した。5-10年も悩み続けた女性や、臓器が完全に体外に出ているような重症者が多かった。
亀田総合病院ウロギネ(泌尿器科と婦人科をそれぞれ表す英語の略語の「ウロ」と「ギネ」を合わせた言葉)センターの野村昌良・副センター長は「日常生活で困ったり、有効な治療を受けていない女性が、かなりの数いることが推定される。メッシュ手術などの治療に積極的に取り組む医療機関も増えてきた。我慢をせず、早めに医療機関や相談窓口を訪ねてほしい」と、早期受診を呼びかける。【永山悦子】
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◇骨盤臓器脱の主な症状
・膣のあたりに今までにない違和感がある
・おなかの中が下がってきたような気持ち悪さがある
・以前あった尿漏れが、最近なくなった
・座ると陰部のあたりで、何かが押し込まれる感じがする
・風呂などで、何か丸い異物が出てきているのに触れた
・残便感、残尿感があり、スッキリしない
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■骨盤臓器脱の治療を行う主な医療機関
・東北労災病院泌尿器科(宮城県)
・亀田総合病院産婦人科(千葉県)
・亀田幕張クリニック産婦人科(千葉県)
・埼玉医科大病院産婦人科(埼玉県)
・日本大付属板橋病院泌尿器科(東京都)
・昭和大横浜市北部病院泌尿器科(神奈川県)
・名古屋第一赤十字病院泌尿器科(愛知県)
・梅田ガーデンシティ女性クリニック泌尿器科(大阪府)
・北野病院産婦人科(大阪府)
・北九州総合病院泌尿器科(福岡県)
■女性特有の病気の相談電話
・ウーマンズ・ヘルス・パートナーコールセンター(受付時間=月-金の10-16時)電話0120・744・066
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