テニスのけが、故障の特徴
● テニスのけが・故障の特徴
テニスは、子供から中高年の方まで幅広い世代に親しまれ、生涯スポーツの代表的な存在です。国内のテニス人口は約1100万人、世界のテニス人口は上位16カ国だけでも5000万人を越えるほど世界中で人気のスポーツです。
競技としては、ダッシュ&ストップ、方向転換を繰り返し、瞬発力とスタミナが必要とされます。そのため、テニスプレーヤーの多くに何らかのけがの経験や、故障があります。テニス外傷は足首やふくらはぎ、膝など下肢に多く、肘・腰・肩などにはオーバーユースによる障害が多く見られます。
● 主なけが・故障の種類と治療
足関節捻挫
足関節捻挫(いわいる足首の捻挫)は、最も頻度の高いスポーツ外傷です。日本の全てのスポーツ外傷の13%を占め、アメリカでは1日2万件が発生しているといわれています。テニス外傷でも半数近くが足関節捻挫です。テニスでは、ゲーム中などストップ動作時に、足首に内反力や外反力がかかり、靭帯を損傷するケースがよくあります。
靭帯損傷の程度により、I度(軽度:靭帯の過伸展)、II度(中等度:前距腓の断裂)、III度(重度:前距腓靭帯と踵腓靭帯の断裂)に分かれます。それぞれに適切な治療法がありますので、まずは、正しい診断が重要となります。
治療法としては、保存療法と手術療法があります。I・II度の場合、保存療法としてRICE処置、ギプス、テーピング等の固定、装具療法が行われます。
III度では、保存療法により修復を期待する場合と、縫合手術などを施す場合があります。保存療法では、足首を背屈に5°~10°曲げた状態で3週間程度固定するのがポイントです(写真上参照)。手術の適応は、損傷の程度とプレーヤーの復帰後の競技レベルなどにより総合的に判断します。保存療法、手術療法のいずれの場合も3ヶ月程度でスポーツ復帰を目指します。
予防法としては、ゴムなどを使って腓骨筋の筋力を強化する、足の裏の感覚を磨く、適切なシューズを選ぶことなどがあげられます。また、再発防止には、テーピングや装具(アンクルブレス)なども有効です。
- クッション性(衝撃吸収)
- 安定性(スタビリティ)
- ダッシュ&ストップ、方向転換への追従性
- コート種に対応したアウトソールの材質・形状
テニスレッグ(下腿三頭筋内側頭挫傷)
いわゆるテニスレッグと称される『ふくらはぎ(腓腹筋)の肉離れ』は、中高年の方がよく起こします。テニスのサーブ&ダッシュなど、収縮している筋肉が急激に引き伸ばされた際に発生し、受傷時にふくらはぎに打撃感を感じることが知られています。
治療としては、初期はRICE処置によって腫れや炎症・内出血・筋繊維の損傷を最小限に抑えます。痛みがおさまったら、温めて血行を良くし、無理をしないストレッチで柔軟性を回復させます。再発しやすい外傷のひとつですので、スポーツ前には必ず十分なストレッチを習慣にしましょう。
テニス肘・テニスエルボー(上腕骨外側上顆炎・上腕骨内側上顆炎
テニス肘は、筋力が衰えている人、初心者で誤ったフォームの人やスイートスポットに当たらない人などに多くみられます。バックハンドテニス肘(上腕骨外側上顆炎)とフォアハンドテニス肘(上腕骨内側上顆炎)があります。
バックハンドテニス肘は、ボールインパアクトの瞬間ラケットに加わる衝撃が肘に伝わり、肘関節付近の筋肉(短撓側手根伸筋)の付着部が炎症を起こします。肘の外側に痛みを感じ、初期はバックハンドの時のみに感じる程度ですが、進行すると日常生活で物を持ち上げたりするだけでも痛みが走ります。
フォアハンドテニス肘は、手首や指を曲げる筋肉と手首を内側にひねる筋肉の使いすぎによって屈筋腱付着部に炎症を起こします。肘の内側に痛みを感じ、プレー中だけでなく、ものを持ち替えたりする動作のときに痛みます。バックハンドテニス肘よりも頻度は多くありません。
治療は、急性期の場合、アイシング、ストレッチ、安静が原則です。重要なことは体幹・下肢の筋力強化、バランス向上をも考えて治療することです。再発しやすいため、痛みが完全に取れてからの復帰となります。
手首のストレッチ(10秒×20回)やダンベルを利用した伸筋力の強化が再発防止に効果的です。また、ラケットのグリップの太さやガットの張りや素材の見直しやテニスエルボーサポーターの利用など工夫しましょう。
テニスショルダー(肩腱板炎)
中高年のベテランプレーヤーで、強力なサーブやスマッシュを得意としている方はとくに注意が必要です。腕を頭より高く上げる動作を繰り返すことで、上腕骨が肩峰(けんぽう)や靭帯(烏口肩峰靭帯)とすれ合い、肩腱板炎を起こします。痛みは当初、サーブやスマッシュの際だけですが、進行により日常動作でも痛みを感じます。治療では、肩を安静にし、肩周辺、とくに腱板を構成している方の深いところにある4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)を強化することはもとより体幹・下肢の筋力トレーニングも大事です。1年たっても痛みがとれない場合は、腱板が切れていることがありますので、十分な検査のうえ必要に応じて手術的治療の検討が必要です。
予防として大切なのは、サーブやスマッシュの際に、正しいフォームを身につけることです。「肩甲平面(scapular plane)」という言葉がありますが、腕を広げた場合、腕をやや前方にした状態が最も無理がなく、安定します。この肩甲平面状であれば、強力なスマッシュも肩関節に負荷をかけることがないため、炎症を予防できます。
上腕骨軸と肩甲棘軸が一直線上になる肩甲平面上の位置をいう。上腕骨は余計な筋力を使わず、挙上位で非常に安定するため、肩の障害を予防することができる。テニスでは、サーブやスマッシュの際に、このポジションを意識したフォームを身につけることで、肩の障害を予防することができる。
● スポーツを楽しんでQOLの維持・向上を
スポーツから肉体的な爽快感、心地よい疲労感、精神的な充実感などさまざまな満足を得られます。また、適度に運動をすることは、糖代謝の改善や血圧の低下、肥満予防など生活習慣病予防にも効果的です。ただし、日頃から運動不足の方がダイエット目的に急激な運動をすると、かえって体調を崩してしまうことがあります。ご自分の体にある程度の筋力とスポーツ習慣がつくまでは専門家の指導を受けましょう。
そして、肉体的なレベル、年代、気候にあわせて無理のないスポーツをすることは、生活の質の維持、向上にもつながります。スポーツを楽しんでQOLの維持・向上も図りましょう。(m3.comより)
当院の施術は、生理学的根拠のもとで医学会で認められた施術です。
足関節捻挫、上腕骨外側上顆炎(テニスエルボー)、内側上顆炎、腓腹筋肉離れ、上腕二頭筋腱炎(テニスショルダー)
個人差はあるものの急性期の早期の改善解消や慢性期のいつまでもある症状の改善解消に効果をだします。
詳しくは、このブログの「よくある質問」を見てください。
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