炭水化物がエネルギーに換わるのを助ける
ビタミンB1の主な働きは、炭水化物が体内でエネルギーに換わるのを補酵素として関わっていることです。炭水化物をたくさん摂取していても、ビタミンB1が、不足しているとうまくエネルギーに転換できず疲労物質が体内にたまり、疲れやすくなります。
江戸時代に、「江戸わずらい」という原因不明の病気が流行し、人々を悩ませました。これは、それまで玄米を食べていた人々が、白米を食べる食習慣となったためのビタミンB1不足による「脚気」でした。他にビタミンB1欠乏症では、認知症とよく似た症状を示す「ウエルニッケ脳症」もよく知られています。
ビタミンB1不足は、食事からの摂取が足りない時や、炭水化物過多の食生活、アルコールの多飲等によって起こります。これらの食生活を続けている方は、ビタミンB1を積極的に摂るように心がけるのが良いでしょう。
ビタミンB1は、水溶性ビタミンなので、多く摂取しても不必要な分は体外へ排泄されてしまうので、過剰症の心配はありません。
気を付けなければならないことは、ビタミンB1破壊酵素「アノイリナーゼ」の存在です。「アノイリナーゼ」は、生の二枚貝やわらび・ゼンマイ、鯉・フナ等の淡水魚に含まれています。せっかく摂取したビタミンB1が破壊されてしまわないように、これらの食品は、必ず火を通してアノイリナーゼを失活させてから食べるようにしましょう。
<多く含む食品>
玄米、胚芽米、米糠、酵母、そば、豚肉、うなぎ、鮭、サンマ、真鯛、ぶり、たらこ、大豆、きなこ、ピーナツ、ごま など
<食事摂取基準>
ビタミンB1の食事摂取基準(mg/日)
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