皮膚の健康維持を助ける
ビオチンは、糖質や脂質、タンパク質の代謝に関わる水溶性ビタミンです。DNAなどの核酸の生成にも関わっています。ビオチンは、もともとマウスにおける卵白の大量摂取における脱毛や皮膚炎の研究により発見されたビタミンで、皮膚病と関連があると言われています。生の卵白中には、アビジンという物質が含まれ、この物質がビオチンを結びつくとビオチンの働きが阻害されてしまうので注意が必要です
ビオチンは、健康な状態であれば、腸内細菌が合成するビタミンです。しかし、腸内細菌が作り出す分だけでは、必要量が満たせないので食事で補う必要があります。さらに長期にわたり抗生物質を服用していたり、偏食だったり、便秘だったりと腸内の環境が良くない場合には、腸内細菌がビオチンをうまく作り出せずに不足することがあります。
ビオチン不足の場合には、肌が乾燥気味になったり、脱毛、筋肉痛、白髪、食欲不振、うつ症状等が現われます。日本では、食品添加物としてビオチンが認められていないので、調製粉乳(粉ミルク)を飲んでいる乳児のビオチン不足が問題となっています。
ビオチンは、水溶性ビタミンなので、必要以上の量を摂取しても尿中から排泄されてしまうので、過剰症になる心配はありません。
<多く含む食品>
卵黄、レバー、イワシなどの魚介類、くるみ、大豆、ピーナッツ など
<食事摂取基準>
ビオチンの食事摂取基準(μg/日)
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