胎児の正常な発育や貧血予防に働く
葉酸は、ほうれん草の抽出物から見出された水溶性ビタミンで、ラテン語の「葉」の意味を取って、葉酸と名付けられました。
葉酸は、体内で遺伝情報を司る核酸の合成に補酵素として関わっています。細胞分裂がさかんに行われる胎児の正常な発育には欠かせません。そのため、厚生労働省は、妊娠を予定している女性に対して神経閉鎖障害のリスクを低減するために一日に400μgの摂取を勧めています。
また、葉酸は、体内でホモシスチンからアミノ酸のメチオニンを生成するのに必要です。葉酸が不足していると血中のホモシスチン濃度が上昇するとの報告がなされています。血中のホモシスチン濃度が高いと動脈硬化のリスクが高まると言われています。他に、葉酸は、ビタミンB12とともに造血作用にも関わっており、不足すると巨赤芽球性貧血が起こったり、細胞分裂に関わり粘膜の機能を維持する働きもあるため不足すると胃潰瘍や口内炎の原因になることがあります。
葉酸は水溶性ビタミンなので、体内への蓄積はなく、食事摂取においての葉酸の摂りすぎによる過剰症の報告はなされていません。
<多く含む食品>
ほうれん草、小松菜、春菊、キャベツ、アスパラガス、枝豆、アサツキ、パセリ、ブロッコリー、さつまいも、レバー、いくら、うになど
<食事摂取基準>
葉酸の食事摂取基準(μg/日)
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