大和撫子(やまとなでしこ)
アダム徳永メルマガより
日本女性の美しさを表現する言葉に、
大和撫子(やまとなでしこ)があります。
大和撫子の意味は、清楚でりんとしていてつつましく、
一歩引いて男性を立て、男性につくすような、甲斐甲斐しい女性像のこと
日本では古来より、そんな女性が美しいとされてきました。
最近は懐古ブームとやらで、現代女性に
大和撫子の美しさを解くような本や映画が支持されているようです。
このブームに私はとても懐疑的です。
清楚でりんとしていてつつましい。
その美しさは認めます。
しかし、それが形だけのマネっこで終わってしまっていることが
多い気がしてならないのです。
たとえば、ある女性が誰かにひと言、お礼を言うとします。
いつもなら大きな声で「どうもありがとう!」と言うのですが、
ここはちょっと大和撫子を意識して、つつましくしてみようと思い、
彼女は静かな微笑みを浮かべながら、小さく会釈をして、
ひかえめに「……どうも」とお礼を言いました。
一見、大和撫子の美しさを表現しているようですが、
どこかがおかしいとは思いませんでしょうか。
そうです。
彼女が発したお礼の言葉です。
言葉はとても大きなパワーを持っています。
どんなに楚々とした、かわいらしい姿勢と表情だったとしても、
肝心のお礼の言葉が「どうも」では、
その気持ちのほんとうのところは相手には伝わりません。
大和撫子の美しさとは、言葉の美しさです。
お礼を言うときに「どうも」ではなくて「ありがとう」。
恐縮するときに「どうも」ではなくて「恐れ入ります」。
謝るときに「どうも」ではなくて「申し訳ございません」。
その気持ちのこもった言葉を
態度や姿勢にも表現するさまが美しいのでしょう。
あなたがカフェでウェイトレスから注文を受けたとき、
「コーヒー」とぶっきらぼうに返事をしたりしていませんか。
無意識にそうなっていることも多いでしょう。
ちょっとここで思い出してみてください。
もし、思い当たることがあるようなら、
これを機会にぜひあらためましょう。
相手に対してとても失礼な行為なのです。
美しい女性は礼節を重んじます。
特別な場面で気をつけるのはたやすいことです。
大切なのは日常の礼儀。
日々の暮らしで見過ごしがちな礼節こそ、
あなたを美しく磨き上げるのです。
「コーヒー」だけではなく、この場合、
「コーヒーをお願いします」と言いましょう。
「~をお願いします」とひと言添えるだけで、
とてもていねいで品のある表現に変わります。
コーヒーが運ばれてきたときも、
「……どうも」と素っ気ない返事は禁物です。
「どうもありがとう」と言い換えるだけで、
こころが伝わり、お互い幸せな気分になれます。
レジを済ませたあとはどうでしょう。
つい無言でお店を出ていませんか。
そこにひとこと、「ごちそうさまでした」と添えて
会釈するだけで、あなたのその姿に、
大人の女性の美しさが宿ります。
当たり前のことのように聞こえるかもしれません。
でも、案外、このようなことのできていない
女性が多いのも事実です。
そのことに気づいて、正しい習慣を見につけた人から、
ほんとうの美しさを手に入れているのです。
【まとめ】
お礼を言うときに、「どうも」ではなく「ありがとう」。
恐縮するときに、「どうも」ではなく「恐れ入ります」。
迷惑をかけたときに、「どうも」ではなく「失礼しました」。
謝るときに、「どうも」ではなく「申し訳ございません」。
苦労をねぎらうときに、「どうも」ではなく「ご苦労さま」。
美しい言葉で伝えることは、
あなたの魅力を伝えることでもあります。
『「きれい」だと言われる女性が気をつけていること』PHPより
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