武道に「回復効果あり」高次脳機能障害の患者 - 横浜市で腰痛 坐骨神経痛解消の整骨院

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武道に「回復効果あり」高次脳機能障害の患者

武道に「回復効果あり」 高次脳機能障害の患者

2010年1月6日   提供:共同通信社

 交通事故などで大脳に損傷を受け、言葉や記憶に障害が生じる高次脳機能障害の人たちが武道に取り組み「頭がすっきりしてきた」「症状が軽くなった」と効果を実感する声が上がっている。医学的な裏付けはないが、専門家は「姿勢や呼吸など体の基本機能を整える武道のスタイルに、効能があるのかもしれない」と推測している。

 東京都大田区の通信販売業長谷川正(はせがわ・まさし)さん(51)は2003年、歩いていて車にはねられ、2カ月入院する大けがをした。強打した頭は、くも膜下出血と低酸素脳症を起こしていた。

 事故から3カ月後、つえをついて歩けるようになり、仕事に復帰した。だが銀行に行くと通帳を忘れる。慣れ親しんだはずの道や電車の乗り換えに迷う。顧客の顔を忘れ、簡単な計算もできなくなったため、営んでいた眼鏡店は廃業に追い込まれた。04年、高次脳機能障害と診断された。

 05年、小学生の長男と一緒に空手教室に通い始めた。子どもの習い事に選んだつもりだったが、事故以降うつうつとした生活が続き、気持ちの切り替えになればと自身も取り組んだ。

 汗をかくさわやかさと、道場の張り詰めた緊張感に新鮮さを感じた。週1回のけいこに励むうち、師範の形をまねして手足を動かせるようになった。頭の中で物事を整理できるようにも。今、道場には週2回通う。

 長谷川さんは「すべてが完全にはよくならないけど、よくなる手掛かりをつかんだような気がする」と話す。

 国立成育医療センター(東京)の橋本圭司(はしもと・けいじ)リハビリ科医長は「高次脳機能障害のリハビリは、いきなり記憶や言語の訓練から始めるより、呼吸や姿勢などを整えることが大切。気力や体力をつける上でも、武道は理にかなったリハビリ法だ」と評価する。

 国際武道大(千葉)の松井完太郎(まつい・かんたろう)教授は「道着を着ることで気が引き締まる心理的効果もあるだろう」と話している。

※高次脳機能障害

 事故や病気などで大脳の一部が損傷して現れる後遺症の総称。言語や記憶などの知的機能に障害が出る、計画を立てられないなどの症状がある。損傷を受けてしばらくしてから突然現れ、症状は損傷個所によって異なる。厚生労働省によると、患者は全国に約7万人(高齢者を除く)。リハビリテーションには運動機能回復訓練や職能訓練などがある。

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