男の性の話、「1分も持たない」
～「たった3分」からの大逆転～
元超早漏のアダム徳永です。
今でこそ、「セックスの達人」という照れくさい肩書きをつけていただくことがありますが、その私も、37歳まで3分どころか、「1分も持たない」超早漏に悩んでいたのです。
現在の私を知る人からは、「まさか？」「ウソでしょ？」「冗談ですよね？」というリアクションが返ってきますが、ウソでも冗談でもありません。
本当に昔の私は、どうしようもない超超超早漏男性だったのです。
当時私は、「これは体質だから、もう治らない」と、半ば諦めかけていました。いえ、99%諦めていました。自分に絶望していました。
私が、早漏を自覚したのは、24歳の時でした。
相手は妻。
それが私の初体験でした。
セックスの達人にしては、ずいぶんと遅い初体験だとビックリされたかもしれませんね。
早漏の話をする前に、私の暗い童貞時代の話から始めましょう。
私が生まれて初めて射精を経験したのは、確か、中学2年のことだったと思います。
記憶があやふやなのは、青春時代という言葉を使うこともためらわれるほど、心の中がどんより曇っているような毎日で、記憶がかすんでしまっているからです。
多くの人は青春時代の性や恋の思い出を、「甘酸っぱい記憶」として残されています。
しかし私は、青春時代のことをあまり覚えていません。
何がどうなって射精に至ったかも記憶はあいまいです。
ただ、その時は、ベッドの上に仰向けになっていたことは確かです。
ペニスの先から、始めて見る白い液体が、天井に届かんばかりの勢いで噴出した光景は、鮮明に記憶しています。
「気持ちいい」などという感覚はまったくありませんでした。
カミナリに貫かれたようなものすごい衝撃が全身を走りました。
私の体はどうなってしまったのか？
ただ、恐怖が先に立ちました。
それでも、多くの男性がそうなるように、その日以来、私はそれがマスターベーションだという認識を持たないまま、親の目を盗んでは射精行為にふけりました。
好きなクラスメイトのことを考えると、すぐにペニスは大きくなります。
ただ、当時は今と比べて格段にアダルト情報が少なく、高校生になっても、セックスの知識を持っていませんでした。
要するに、ペニスを膣に挿入するということを知らなかった。
私は好きな女の子を思いながら、どんな想像をしたと思いますか？
私は、好きな女の子と、土手の道を、手をつないで歩いています。
そして、何かのきっかけで、２人はもつれるように土手の草むらに倒れこむ。
そして抱き合ってキスをする。
しかし、その先の行為が私には思い浮かびません。
キスの次に何をしたらいいのかわからない私は、また手をつないで土手を歩くところに戻るのです。
私は延々、終わりのない妄想を繰り返し続けました。
私は女性と話をするのが苦手でした。
好きな子に「好き」と言えない。
硬派というと聞こえがいいのですが、単に自分に自信のないオクテなだけです。
学年が上がるにつれ、徐々に男友達の中に、セックス経験者が出てきました。
よくあるセックスの自慢話が、あちこちから聞こえてきます。
私は、その輪に加わりませんでした。
本当は興味津津のくせに、「あんなチャラチャラしたヤツらとは付き合えない」というポーズをとっていました。
本当はただ屈折していただけなのですが、私は自分の世界にこもりがちになりました。
そして、自分の屈折に救いを求めるように、読書にハマりました。
洋の東西を問わず、高校生の頃は文学に、大学生の頃には哲学書や思想書まで手を伸ばしました。
元々「愛と性」について関心が深かったこともあり、愛と性をテーマにした作品は、片っ端から読みあさりました。
私は多くのことを本から学びましたが、同時に読書は、私の理想とする愛の世界と、いわゆる青春時代の普通の恋愛との距離を、恐ろしいほど遠ざけていきました。
要するに、普通の恋愛ができないのです。
【次号に続く】
～「たった3分」からの大逆転 男の「早い」は才能だった～ 講談社より
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