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人工膝関節置換術、50歳以下でも積極的に行うべきか(m3.comより)

人工膝関節置換術、50歳以下でも積極的に行うべきか

骨破壊の進行、再置換の可能性などの評価で判断は分かれる

2010年9月2日 星 良孝(m3.com編集部)

高齢化に伴い、変形性膝関節症(OA)が増えたことで、人工膝関節置換術が増加している。
主な対象は高齢のOAだったが、50歳以下のリウマチ(RA)にも適応する動きがある。
しかし、人工膝関節の耐久性の問題から若い段階では手術を回避すべきという見方も強い。


賛成積極的に手術

「リウマチを主な要因とするケースでは、50歳以下でも人工膝関節置換術を実施するのが好ましい」と考える東邦大学の宮崎芳安氏

 「50歳以下の患者に対しても、人工膝関節置換術は積極的に行えるのではないか」。東邦大学第一整形外科副医局長の宮崎芳安氏はこう考えている。

 人工膝関節置換術は、全国的に実施件数が増え続ける重要な治療となっている。最近10年間で2倍以上になった。対象は変形性膝関節症、あるいはリウマチで膝の曲げ伸ばしに障害がある患者。判断が難しい問題となっているのが、50歳以下の患者に積極的に手術するか否かだ。

 というのも、人工膝関節置換術は、60歳以上、70歳以上で行うのが一般と言われてきた。人工膝関節のインプラントは10年ほどで劣化して、50歳以下で実施するとほぼ確実に再置換が必要になるため。50歳以下の患者では、余命が長いために人工膝関節を適用するのは早すぎるというわけだ。とはいえ、50歳以下の患者は、まだ活動性が高い時期であり、仕事や家事に当たっている場合も多い。膝関節に異常があると、日常生活が大幅に制限される。ほぼ全例がリウマチ患者で、時間経過と共に症状は悪化してしまう問題もある。

 宮崎氏は、「人工膝関節のインプラントの性能が向上してきた」と、50歳以下への手術適応に前向きとなる背景を説明する。従来、関節面を構成しているポリエチレンの磨耗、インプラントの不具合が問題となっていたが、年々、そうした機能低下を抑制する改善が進んできている。

 例えば、ポリエチレンの酸化が劣化の大きな原因だったが、最近ではポリエチレンに抗酸化物質であるビタミンEを配合する方法で劣化を抑制できる新しい考え方の製品が出てきた。インプラントの国際的な大手は、米ジンマー社や米ストライカー社で、国内でもナカシマメディカルが製品開発を強化している。

 宮崎氏は、「薬物療法を行っても、進行したものを戻すことはできない。末期状態の関節になれば、手術をしても機能の回復が難しい。早期に手術して機能回復するのが賢明」と見る。

機能回復の利益が大きい

 国立病院機構相模原病院整形外科医長の増田公男氏も、50歳以下の人工膝関節置換術に前向きな考え方を持つ。「リウマチの患者は下肢の状態が悪化して行くと、上肢で補うために上肢の状態も悪くなっていく。悪循環を防ぐためにも手術は重要」と話す。

 骨に対する侵襲性を抑えるために、後十字靭帯を温存する方法、骨セメントを使わずにインプラントを設置する方法などの工夫も重要になる。50歳以下では、杖歩行ができるようになるまでの期間が短く、リハビリは一気に進むという。機能回復が確実に期待できる点でも手術を行う意味は大きいということになる。

 人工膝関節では、再置換の可能性のほか、感染のリスクという問題もあるものの、現状では手術を実施するメリットが上回るという考えだ。

「下肢の状態が悪化すると、上肢の状態も悪くなり悪循環」と指摘する相模原病院の増田公男氏



ナカシマメディカルは国産の人工膝関節の開発を進めている。

[あおぞら整骨院]コメント

変形性膝関節症や変形性腰椎症で「腰が痛い」、「膝が痛い」、「歩けない」で悩んでいる人は沢山見受けられます。

いろいろ行ったが思うように改善されないのが現状です。

「治します、変形性関節症

関節リウマチの関節痛。

反対可能な限り手術回避

「手術は可能な限り回避したい」と言う川口工業総合病院の林将也氏

 「50歳以下でも、疼痛や日常生活の障害が進行してくると、最終的には人工膝関節置換術を行う必要は出てくる。しかし、やはり慎重にならざるを得ない」と語るのは川口工業総合病院整形外科の林将也氏だ。

 「問題としては、人工膝関節置換術を行った場合、おおよそ15年の経過後に、再置換術を行う必要が出てくること。ポリエチレン部分の磨耗が進行し、金属部分も緩みが出てくるからだ。50歳以下で置換した場合、65歳ころまでに再置換を行うことになるが、そうなると70代で再々置換が必要になる可能性が高い。再々置換術になると、ボーンストックは減り、骨質の悪化が予想され、インプラントの設置は非常に困難になるだろう」と林氏。

 50歳以下の場合、高齢で人工膝関節置換術を受ける場合と比較すると、患者は活動的である。痛みがなくなると、仕事や家事などに積極的に取り組めるのだが、ポリエチレンの磨耗は活動的な分だけ進行しやすい。再置換が必要になる可能性が高くなってしまう。

 再置換を受けた場合には、最初の人工膝関節置換術を実施した時と比べると、骨の強度が下がり、軽微な外傷で骨折もしやすくなる。

問題は再々置換の難しさ

 林氏は、「要するに、再置換は、50歳以下であると、100%の症例で行うことになると覚悟しておく必要がある」と説明する。再置換そのものは、インプラントの開発も進んでおり、全国的に症例数も多く、大きな問題はないことが多い。問題となるのは、再々置換である。

 「50歳くらいであると、本人に動きたいという希望があるので、手術を適応するかどうかを決める場合にはそこの見極めを慎重に行っている」と林氏は言う。55歳まで手術をせずに経過観察するべきか、手術を行うか。手術をして日常生活の障害を払拭すべきだと判断されれば、手術を行うことになる。

 「若年者は歩けなくなって手術するケースがほとんど。逆に言えば、手術適応は厳しく判断してきた」と林氏は話す。川口工業総合病院においては、1983年以降2009年まで人工膝関節置換術が初回手術のみで622人873膝に実施された。24%がリウマチ、74%が変形性膝関節症。50歳以下は12人30膝で全体の2.2%。変形性膝関節症が1例2膝のみで、リウマチを原因とした患者が90%だった。年齢グループで比較すると、歩行能力は、50歳以下は術前の歩行能力はほかの年齢層と比較すると、有意に低かった。屋内でとどまっている患者、500mも歩けない患者が多かった。

 できる限り手術回避の道を模索した上で、どうしても必要な例に絞って手術する。手術による機能回復は重要だが、再々置換のリスクは重く見るべきという立場だろう。

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