うつ病の激励、「一律に禁忌」の時代は終わった(m3.comより)
2010年10月12日 星 良孝(m3.com編集部)
うつ病の患者は励ましてはならない。日本においては定説となっている。
一見好ましいとも見られる激励が、症状悪化を招きかねないという理由からだ。
しかし、一律にタブー視せずに、積極的に激励すべきという見方が出ている。
賛成一律に禁忌とはしない「一律に激励を禁忌とする見方は根強いが、むしろ社会復帰を妨げることになる」と話す獨協医科大学の井原裕教授
「うつ病の人への激励は禁忌とされてきたが、一律にタブーとする時代ではもはやなくなっている。ケースバイケースなのに、いまだにタブーという考えは根強い」。獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授の井原裕氏はこう説明する。 弊害が無視できない「医師国家試験において、間違ってはならない問題というのがよく言われる。その一つとして、うつ病の激励禁忌を問う問題が挙げられ、当然のごとく『うつ病の人は励ましてはいけない』と解答するとされてきた。医師の間でも広く浸透した考え方となってきている。しかし、激励禁忌は一理あるが、弊害が無視できない」と井原氏は言う。 「昭和の高度経済成長期、日本が右肩上がりの時には、人々の間に自虐的に奉仕するケースがよく見られ、激励禁忌という日本独自の考え方が出てきた。うつ病が、精神訓話で解決するものではなく、医学的な治療の対象であるという考え方を浸透させる上では意味があった」(井原氏)。このため現在でも、うつ病の激励禁忌の考え方は根強いという。 海外では激励は治療の一環「忘れてはいけないのは、うつ病患者が『頑張れ』と言われると、機械仕掛けに自殺するという考えもあるが、そういうことはないということ。海外においては、教科書にも激励という言葉は頻出し、むしろ激励しなければ治療にならない考えもある」と井原氏は話す。 問題は、激励すべき患者をどう見極めるか。まず、励ますべきではないうつ病の患者は、疲労困憊の人、完璧主義の人、自分をあまりに責める人、弱音を絶対にはかない人で、うつ病発症して間もない人という。一方で、井原氏は、「うつ病の人も少しずつ回復してくる。『さあこれから厳しい現場に帰るぞ』という段階では、適度の激励が必要になる」と述べる。回復期に「まあ焦らないで」「じっくり時間をかけて」などと、腫れ物に触るような態度を取り続ければ、かえって社会復帰を妨げてしまうという。 激励の仕方としては、若者であれば、未来のことを語るのが有効という。「なってみたいもの、やってみたいこと。魅力的な男性あるいは女性のイメージ。父や母と異なる人生について。情熱を燃焼しつくす対象などを、患者と医師とで話し合うといい」(井原氏)。一方で、働き盛りの人に対しては「仕事」について、女性に対しては「女性としての自分自身」について、高齢者に対しては「過去」についてと、テーマを患者に合わせながら励ましていく。精神的な問題解決の答えを共に探る姿勢が重要という。 井原氏は、「激励禁忌のルーツを探したのだが、明確ではなく、精神科における"不文律"が、いつの間にかタブーになったと考える。『頑張れ』という言葉は好ましい言葉だが、逆に良くないケースもあるから気をつけよ、という戒めの意味合いだったのだろう。場合を選んで、励ましていくことが重要と、考え方を改めるべきではないか」と話す。 [あおぞら整骨院] そうですか。 いろな事が見直されていくんですね。 変わる事、大事です。 |
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