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子どもでも発症、周囲が理解し… 過敏性腸症候群/4止 あなたの処方箋/52

2010年12月17日   提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/52 過敏性腸症候群/4止 子どもでも発症、周囲が理解し…

 ◇子どもでも発症、周囲が理解し早めに治療

 東京都内の男子大学生(20)は中学生のころ、登校時間前の腹痛と下痢に悩まされていた。家族より早めの午前5時過ぎに起きてトイレにこもるのが日課。登校後も緊張すると腹痛に襲われ、一時は学校を休みがちになったこともあったという。

 過敏性腸症候群(IBS)は働き盛りの成人に多くみられるが、子どもでも珍しくない。関西医科大の石崎優子医師(小児科)によれば、患者の割合は小学校で1~2%▽中学校で2~5%▽高校で5~9%という報告がある。その割合は米国や中国など海外と大差ないという。

 石崎医師によると、子どものIBSの特徴は幼児から思春期までの間で症状が異なる点にある。4歳未満では急な腹痛や下痢を繰り返すが、不安など心の状態から起きるケースは少ない。小学校中学年くらいまでは腹痛を繰り返すタイプが増え、高学年から思春期になるに従い便秘型や下痢型といった成人の症状に近付く。高校生の女子ではガスがたまっておなかが張るタイプも多い。不安を感じやすい性格が患者に多い点では成人と同じ傾向だが、感染性腸炎後にIBSになる例もある。

 対処法は基本的には成人と変わらない。石崎医師は「規則正しい睡眠や繊維が多いバランスのとれた食事、決まった時間にトイレに行くという点は大人も子どもも同じ」と言う。思春期特有の心の問題も絡むこともあり、本人の認識だけでなく、家族や学校など周囲の理解も重要だ。まずは保護者。症状は午前中に出やすいため、冒頭の男性のように通学前にトイレに長時間こもることが続けば、それはサインかもしれない。早く気付いて治療に結びつけることが大切だろう。次に学校。多くの成人に経験があるように、子どもたちは校内での排便を極端に避ける。

 石崎医師は「トイレに行きやすいよう席を後ろにしたり、先生と簡単な合図を決めて、授業中にトイレに行けるようにするなどの方法がある」と配慮を求める。こうした対応で、不登校だった児童・生徒が学校に戻れるようになった例も多くある。

[あおぞら整骨院]

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