腰椎すべり症を有する者はより腰痛が多いか?/画像診断の意味と限界
腰椎すべりを有するものはより腰痛が多いか?
第10回 日本腰痛学会・抄録より
【目的】腰椎すべりを有する人はそうでない人に比べて腰椎の発現が多いのであろうか?本研究の目的は腰椎すべりの発生頻度を調査し,腰椎すべりを有する群と有しない群とにおいて,腰痛の発現に差があるか知ることである。
【対象方法】2001年9月に栃木県栗山村において,65歳以上85歳未満の女性に脊椎検診を行い,98名の受診者を対象とした.腰痛に関する問診を結果で示す内容で行った.次に腰椎中間位側面X線写真を撮像した.腰椎中間位側面X線写真にて5%以上のすべりを有するものを腰椎すべりあり群とした。腰椎すべりの発生頻度を調査した。また,両群の問診結果を比較した。
【結果と考察】検診受診者98名中,腰椎すべり群は29名29.6%であった。すべりの程度は平均19.1%であった。
問診結果は
Q1普段,背中や腰に痛みがありますか
A1 いつもある(腰椎すべりあり群3名10.3%,腰椎すべりなし群18名26.O%以下同順)
A2 ほとんどいっもある(5名17.2,10名14.5)
A3 時々ある(17名58.6,30名43.5)
A4 なし(4名13.8,11名15.9)
Q2身体をじっとしているとき,背中や腰の痛みはどの程度でしたか
A1 まったく痛みを感じなかった(20名69.0,43名62.3)
A2 少し痛かった(8名27.6,17名24.6)
A3 痛かった(1名3.4,4名5.8)
A4 ひどく痛かった(0名0,4名5.8)
A5 我慢できないくらい痛かった(0名0,1名1.4)
Q3身体を動かすとき,背中や腰の痛みはどの程度でしたか
A1 まったく痛みを感じなかった(7名24.1,13名18.8)
A2 少し痛かった(16名55.2,29名42.0)
A3 痛かった(5名17.2,18名26.1)
A4 ひどく痛かった(0名O,3名4.3)
A5 我慢できないくらい痛かった(1名3.4,6名8.%).
すべりの発生頻度は予想より大きかった。腰痛の訴えは腰椎すべり群の方がむしろ少なかった。
日光市民病院 自治医科大学整形外科
自治医大附属大宮医療センター 上三川病院
大上仁志 星野雄一 吉川一郎 税田和夫 山室健一
鈴木厚志 山口修 中間季雄 井伊京一郎
(加茂整形外科医院より)
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