更年期 特集 生活習慣の見直し
更年期と生活習慣の見直し
更年期には「半健康状態」に陥りやすくなります。とくに注意したいのは、がん、脳卒中、心臓病などの生活習慣病です。日頃の食生活、運動、休養を見直して悪いところがあればこの機会に改めましょう。
● 人生の「節目」、更年期。日々の生活習慣を見直したい。 |
更年期は、ライフサイクルにおいて老年期へと移行する時期であり、誰もが通過するひとつの「節目」と考えられています。 従来、更年期については、臨床医学の立場から見た「更年期障害の治療」という観点からのみ研究されてきました。しかし、更年期の問題は、むしろ「健康の保持・増進、病気の予防」という観点から考えることが必要になってきています。人生80年時代を迎えて、50歳以降も若々しく活力にあふれて生きることが望まれているからです。
かつては、人の健康状態は「健康」か「病気」か、白黒いずれかにはっきりと区別されていました。しかし、現在では、健康と病気の間に「半健康」や「半病気」の状態があると考えられるようになりました。 更年期には「半健康」状態に陥りやすくなります。加齢による身体機能の低下や精神的・心理的な変化が生じ、それに伴い心身の不調を感じるようになるためです。また、生活状況によっては、生活習慣病(成人病)を誘発しやすくなるともいわれています。
「更」という字には「かえる・改める」という意味がありますが、更年期は「年のかわる時期」ということになります。つまり、更年期はそれ以前の生活を見直し、改善していくよい機会ともいえるのです。 では、更年期の半健康状態を乗り越え、健やかな老後を迎えるには、どうすればよいのでしょうか。あなた自身の日々の生活習慣、とくに「食生活(栄養)」「運動」「休養」を改めて見直して、問題があれば上手に改善していくことが必要になります。
● 健康を保つために・・・。更年期の食生活を見直すポイントと改善策。 |
更更年期には、加齢による変化によって、栄養素の貯蔵能力が低下し始めています。また栄養素を吸収し、利用する力も少しずつ落ちてきています。知らない間に潜在性の栄養過剰状態になったり、潜在性の栄養欠乏状態になったりしています。
潜在性の栄養過剰状態は、進行すると「過剰症」になり、危険因子が加わると、「肥満、高血圧、動脈硬化」などの生活習慣病を引き起こすようになります。閉経後に不定愁訴が現れる人、太り気味で体力が強い人に多くみられます。 潜在性の栄養欠乏状態は、進行すると「欠乏症」に陥り、身体の抵抗力が弱まって、細菌などに感染しやすくなります。また骨粗鬆症になる危険性も高くなります。閉経前の1年以内に不定愁訴が現れる人、やせ気味で貧血傾向がある人、かぜをひきやすく、体力が弱い人に多くみられます。 栄養素の貯蔵能力の低下が見られる更年期には、とくに微量で必須の栄養素であるビタミン(B1、B6、C、Aなど)が、潜在性の欠乏状態に陥りやすくなります。 これらのビタミンの欠乏状態に陥ると精神・神経症状が生じると言われ、その結果として不定愁訴が現れることもあります。
更年期は、食生活を見直す良い機会です。栄養状態を正常な状態に維持するためには、それまでの食生活を改善する必要があります。そのためのポイントをあげておきます
- これまでの食生活を振り返る 不足気味の栄養素を補い、過剰気味の栄養素を控え、標準体重が保てるように摂取エネルギーを調整するようにしてください。
- 良質のたんぱく質をとる 良質のたんぱく質としては、卵、牛乳、乳製品、肉、魚、豆腐などがあげられます。こうした食品は、カルシウムも豊富に含まれており、たんぱく質をとることによって、カルシウムも効率よく吸収されるという利点があります。
- 質の摂取を控える 脂質は、魚や植物性のものを取ることをお勧めします。魚や植物性の油には、不飽和脂肪酸というコレステロールを低下させる成分が含まれています。肉類をとるときには、脂身の少ない肉にするか、脂身の部分だけを取り除くとよいでしょう。
- ビタミン、ミネラルをとる 先にのべたように、ビタミンは積極的にとりたい微量栄養素です。卵黄、牛乳、レバー、緑黄色野菜、果物などに多く含まれています。また、ミネラルの中では、カルシウム、鉄が重要で、牛乳、小魚、レバー、海藻などに多く含まれています。
- バランスのとれた食事を規則正しくとる 摂取する栄養素の割合を糖質60%以上、たんぱく質15~20%、脂質20~25%にすることを目標とします。食事のとり方は、朝、昼、晩と一日3回規則的にとることが大切です。欠食すると摂取エネルギーが不足し、栄養素の補給がうまく行かなくなります。 また食事の時刻や間隔を乱すと、消化・吸収が円滑に行われなくなって体調を崩す原因になります。 適度な運動をしなければ、食欲もわきません。また、睡眠不足になれば当然食欲もなくなります。食事をおいしく食べるためには、日頃の生活習慣全体を見直し、そのなかでもとくに、食事、運動、休養をバランスよく毎日の生活に位置づけることが、大切です。
● 更年期からはじめる、健康維持を目的としたおすすめ運動法 |
更年期障害の軽減に、スポーツ活動がたいへん効果的なことは、実際に行っている人からの調査からもはっきりしています。逆に言えば、中高年女性の健康上の問題点は、運動不足が関係しているものがたいへん多いのです。では、どんな運動がいいのでしょうか。お勧めしたい運動には3つの種類があります。
まず1つ目は、スタミナづくりのための有酸素運動です。有酸素運動は、歩行、ジョギング、水泳、サイクリング、エアロビクスなど、運動に必要な酵素を十分呼吸し、一定の状態を長く維持する運動です。近頃話題のウォーキングも有酸素運動の仲間です。 これらの運動を毎日続ければ、目まい、全身倦怠感、憂うつをはじめ、不眠や心配事、筋肉の緊張をほぐすのにたいへん効果があります。また骨粗鬆症、肥満などの対策にも、プラスになります。運動量の目安は、更年期世代では、1週間の合計運動時間が150~160分程度。運動は1日20分程度からはじめてみてください。 有酸素運動では、肺、心臓、血管系、筋肉などの機能がスムーズに活用されます。消費されるエネルギーは脂肪ですので、肥満・糖尿病・循環器系疾患などの運動療法にもなります。
2つ目の運動は、筋肉を増やし骨を作る身体づくり運動です。ダンベル、鉄アレイ体操、腕立て伏せ、上体起こし運動などがこれにあたります。これらの運動で筋力が強化されれば、腰痛や内臓の下垂を予防し、円背などの悪い姿勢を矯正できるといわれています。 また、骨粗鬆症の予防には、骨に適度の負荷をかける運動が有効です。といっても更年期以降は骨量のピークを過ぎ、骨量の増加はそれほど期待できません。しかし、ウォーキング、水中での歩行や体操では、足を1歩踏み出すたびに骨にかかる重力によって、寝たきりと最も関係の深い脊椎骨と大腿骨頚部が萎縮するのを食い止める効果があるといわれています。 「ダンベル体操」などでは、筋肉の盛り上がりを心配する方もありますが、男性と違って心配ありません。むしろ、骨づくり、筋肉づくりの運動は、余分な皮下脂肪を減少させ、ダイエット効果も期待できます。
3つ目の運動は、身体の柔軟性、バランス、安定感、リラックスのための体操や運動です。ストレッチング、柔軟体操、ヨーガ、太極拳、リズム体操などがこれにあたります。 これら3つの運動を組み合わせていくことが、健康づくりには効果があります。運動は、安全に楽しく、長く続けられるものを見つけていきましょう。
● 休養と睡眠の時間は、自分のための大切な時間。積極的にとりましょう。 |
休養には、文字通り「休む」と「養う」の両面があります。更年期世代は、多忙な日常の中で心身に蓄積される疲労やストレスに健康を害されがちです。仕事や活動で生じた心身の疲労を解消する「休む」、生きがいやライフスタイルの創造を行う「養う」、この両者のバランスがとれて、初めて理想的な休養と言えます。 また、更年期には、精神的な疲労も多く、それだけに自分でも気がつかないうちに疲労していることが多いものです。日常の時間に一息入れる時間を織り込むなどして、休養を積極的に、意図的にとることが、更年期の健康を守る大切な条件です。 積極的な休養をとるには、ちょっとした考え方の転換が必要です。意識して次のことを実行してみてください。
- 仕事の合間に意識して息抜きの時間を作りましょう。ほんの数分の息抜きがストレスを大きく減らします。
- 休日は、自分の心身に対する休養義務の時間と考えましょう。
- 「何もしない時間」に罪悪感を感じずに、「大切な時間」と考えましょう。
- 地域でのボランティアやサークル活動などの社会参加の中から幅広く人間関係を作っていきましょう。
休養の一番のかなめは睡眠です。その大事な睡眠を健やかにとれなくなるのも、更年期の特色です。たとえば、寝つきが悪い、一度寝ても夜中に目が覚める、朝異常に早く目覚めてしまう、などがあげられます。 これは、加齢による生理的な変化によるもので、ある意味では自然なことなのです。人の睡眠は、「身体が眠っていて脳が目覚めている状態」のレム睡眠と、「身体も脳も眠っていて、主に脳に休息させている状態」のノンレム睡眠との組み合わせでできているのですが、更年期を過ぎるころから組み合わせのパターンが変化し、リズムが短くなってきます。 眠れないことに対するこだわりを捨て、朝に目覚めが爽やかであれば時間数は気にしないことです。寝不足感が残るときは昼寝(30分から1時間くらい)などで補ってください。 しかし昼夜逆転型や休日の生活のテンポがバラバラになる状態が続くと、体温やホルモンの生体リズムが大きく狂い、寝不足間や疲労感の原因となります。リズムが崩れてしまった時は、起床・就寝、食事などの時間をできるだけ一定にすることで改善することができます。(m3.comより)
あおぞら整骨院
自律神経系のトラブルは骨盤・背骨調整(骨盤調整法、動体療法)による施術。
尿漏れや子宮下垂に対する骨盤筋の骨盤底筋の賦活、整復等の施術。
腰痛・坐骨神経痛を解消したい方へ
土日・祝日も営業 開業25年の信頼と実績 鶴見駅より徒歩4分 平日20時まで営業 体験談多数掲載中