ジャンパーズニー〔膝蓋靭帯炎〕(しつがいじんたいえん)
ジャンパーズニー(膝蓋靭帯炎)は、膝蓋靭帯の炎症で、主に跳躍系のスポーツに多発する典型的なスポーツ障害です。
医系物理学で計算した場合、高い跳躍をし、片足で着地したときに膝蓋靭帯にかかる負荷は1トンを越えるモーメントが発生しています。
これだけの瞬間的な加重を膝蓋靭帯が直接受けたのでは誰もが持ちこたえられません。
そこでこの負荷は100%筋肉が吸収します。
主に大腿四頭筋がその役を担っています。
従って、これが上手くいっている限りは、何の問題も起きません。
しかし、この大腿四頭筋が吸収力を低下させると、問題が起きてきます。
この様なとき人間の安全装置はまず、他の筋肉へ負荷の分散をはかるように自動的に作動しますが、衝撃吸収をしてくれる筋肉は大腿四頭筋と同様に伸筋ですので、これだけの負荷を代わりに受けきれる筋肉はありません。
したがって、こうなると受けきれない分の負荷が直接膝蓋靭帯にかかってきます。
この結果、発症する代表的な疾患がジャンパーズニー(膝蓋靭帯炎)です。
ジャンパーズニーは特別な器官損傷はまったくなく、純粋に膝蓋靭帯の炎症痛とそれに伴う大腿四頭筋の牽引痛が症状として出るだけです。
ジャンパーズニー(膝蓋靭帯炎)発症の背景
ジャンパーズニー(膝蓋靭帯炎)は、伸筋である大腿四頭筋が、ショックアブソーバーとしての機能を低下させたことから発症する訳です。
が、なぜ伸筋がこうなるか、ということです。
伸筋は文字通り伸びる筋であり、主体的な負荷を発生させる筋ではありません。
それゆえ、この筋が単独でおかしくなることは、外傷でもない限り起こり得ないことです。
この筋は受動的な筋です。従って、この筋のトラブルには主役、つまり能動筋が存在します。
それは屈筋です。この場合大腿屈筋群です。大腿屈筋は全て等張筋です。
大腿屈筋を含め、下肢筋群は全て等張筋です。
体を支える事を専門の役割をしている等尺筋は、この部位には存在しません。等張筋がその役割を兼ねています。
つまり、大腿屈筋群(ハムストリンググループ)がちゃんと機能しなければ、大腿四頭筋の伸展力も失い、衝撃吸収力も低下すると言うことです。
ジャンパーズニー(膝蓋靭帯炎)施術のポイント
ジャンパーズニー(膝蓋靭帯炎)は、大腿四頭筋の伸展機能を回復させなければ根治しない疾患です。
ところが、ジャンパーズニー(膝蓋靭帯炎)は面白いことに、何もせずただ休んでいるだけで、痛みが自然に消えていきます。しかし、
この場合は再発を繰り返すか、もしくは腰や腱側の足首や膝などに新たな痛みを発症させたりします。
これは自然解消した痛みが治癒メカニズムとは全く異なる方向に進んでいることの現われです。
つまり筋のモーターポイントが変化しつつあることを意味します。この筋のモーターポイントとは筋が動くとき、最初に反応する箇所です。通常はそれぞれの筋で決まっています。
大きな関節に痛みを発生させた場合、その原因や背景が解消されないと、人体の安全装置が作動し、こうなります。
「痛みをかばって普段と違う動きをする」などとは意味合いが違います。
この疾患はスポーツ障害で、特にバレーボールやバスケットボールで発症します。
膝蓋靭帯炎(ジャンパーズニー)は大腿屈筋群(ハムストリンググループ)の筋機能の回復に見合いながら改善していく疾患であり、それゆえ、大腿四頭筋ばかりターゲットと考えるのではなく、ハムストリンググループの回復を最も優先して考えなければなりません。大腿四頭筋の筋機能は、それに見合うレベルにしか回復しないからです。
この疾患は、大腿四頭筋の筋キャパシティーの回復度合いが治癒レベルを決定させます。
http://aozora-youtsu.com/2021/06/post-03db.html
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